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愛知 インプラントについてのご意見

Bローネマルクにとって初めての治療であることを納得したうえで、Lドの顎にインプラントを埋入する手術を受けました。 結果は、みごとに成功。
Lーソン氏は新しい人工の歯で、それまでの悩みを解消することができたのです。 彼のインプラントは、40年以上経った晩年も問題なく機能していましたが、残念ながら他界してしまいました。
インプラント治療法の研究BローネマルクはLーソン氏に対する治療のあとも、旺盛に治療と研究を続けました。 1977(昭和52)年、Bローネマルクのグループは、1965年〜1975年の10年問に行った症例についての報告を世界に向けて発表したのです。
対象となったのは22名で、Lーソン氏のように上顎あるいは下顎の歯が1本もない無歯顎の人たちでした。 なかには上下の顎の歯が1本もない人たちもいました。
埋め込まれたインプラントは合計で1618本にのぼります。 そのあとも研究は続けられ、1981(昭和56)年に発表されたデータでは、2768症例にも及びました。
この発表は、歯科学会に一大センセーションを巻き起こしました。 治療成績が非常によかったからです。
発表によると、確立期(インプラントのデザインや治療法が確立した以降の時期)では、治療完了後、5年経過したインプラントの残存率は、上顎81%、下顎91%。 つまり、100本のインプラントのうち、上顎では81本が、下顎では91本が残ったのです。
最初の治療体験者Lーソン氏とPローネマルク教授この発表に、当時の研究者や歯科医師の多くは、高い成功率に驚きながらも、「金属が生体のなかで生かされるわけはない」と懐疑的な反応をみせました。 また、このときのデータは、無歯顎患者のみを対象にした研究結果だったので、部分的に歯のない、つまり天然歯が残っている口腔でも有効なのかどうか、疑問視する声もあがりました。

その後、アメリカの各大学においても実験が繰り返され、Bローネマルクの報告、つまりチタンと骨との結合は科学的に正しいと認知されるに至ったのです。 それ以後、さまざまなメーカーが続々とチタン製インプラントの開発に取り組んできたのです。
Bローネマルクは、スウェーデン政府からノーベル賞に値するグランドプライス賞を授与されています。 このように歯科治療に画期的な貢献をしたBローネマルクは、現在、ブラジルで隠居生活をしていますが、ノーベル賞が授与されないのが私には不思議でなりません。
可能になったことですが、酸化膜と骨との接触面には、1つだけではなく、いくつかの力が働いています。 その力が生体の分子を酸化膜へと結合させ、骨結合へとつながっていくのです。
少し難しくなりますが、それぞれの力を簡単に説明しましょう。 まずは、酸化膜の引力や分子の隙問が媒介となり生体分子を結びつける「ファンデルワールスカ(物理結合)」。
この力は非常に弱い力です。 それと同じぐらいの強さで働くのが、血液中にある水分の水素イオンを介して生体細胞を結合させる「水素結合」です。

この2つよりもう少し強い力を持つのが「電気的結合力」。 生体細胞と酸化膜表面の両方には、双極子というものが数多く存在しています。
その双極子の間に結合する力が発生し、生体分子を酸化膜へと引き寄せるのです。 もっとも強いのは、「共有結合」や「イオン結合」と呼ばれる力で、ファンデルワールス力の10倍ほどの強さがあります。
この力は酸化膜表面の傷やイオンの隙間、不純原子などの存在が媒介となります。 また、これらの力とともに見逃すことができないのは、水分による作用です。
インプラントを埋め込むときには、当然のことですが、インプラントは大量の血液に接触します。 そうすると血液に含まれている水分子が酸化膜にくっつくのです。
その水分子は、生体の分子を吸着、つまり吸い寄せる作用をしますので、結合しやすい状態になります。 金属は酸素に触れるとどんどん内側まで酸化していき、やがて酸化膜の部分が厚くなっていきますが、骨に埋められたチタンも同様です。
身体の新陳代謝によってつくりだされた酸基と呼ばれるものによって、酸化膜が成長していくと考えられています。 空気中にチタンを置くよりも、骨に埋め込んだ方が酸化膜の成長は早くなるという報告もあります。
酸化膜が厚くなるということは、時問とともにしっかりと結合するということを意味し、これによって埋め込まれたインプラントは強固なものとなるのです。 1960〜1970年代初頭までのデンタルインプラントは、どちらかというと実験的な治療と考えられ、取り組むのも先駆的な研究者や医師に限られていました。
その当時主流だったインプラントの形状は、骨貫通タイプ、骨膜下タイプ、骨内ブレードタイプなどで、いずれもさまざまな金属でつくられていましたが、骨と金属との反応の問題や、骨に埋め込まれたインプラントに上部構造(金属の人工歯や土台)が装着されたときに起こる電食作用(電気分解により金属が腐食される現象)などが懸念されていました。 これらの問題を解消するために、炭化ガラス、熱分解カーボン、単結晶サファイア、アルミナ等の非金属製の歯根型、ブレード型のインプラントが開発されました。
それらの非金属製のインプラントは、骨に結合しないので適切な初期固定を得られなかった、骨生理学や機能圧(噛み合わせ)への対応に関する知識や理解も十分でなかったために、失われたインプラントがたくさんありました。 おそらくサファイアインプラントの90%以上が失敗していると思われ、現在ではこのような非金属製の骨膜下イップランドは行われていません。

現在使われているインプラントの大半がチタン合金製で、チタン表面にプラズマを容射したりブラスト処理や酸処理をしたりして、表面を粗面にしています。 そうすることによって表面積が大きくなり、骨との結合がより強固になるのです。
チタンの表面は、科学的に安定した酸化チタン膜で覆われています。 チタンはイオン化せず、成分が腐食して溶け出す心配がない安定した金属で、毒性もなく発がん性の心配もありません。
さらに、細胞との親和性が高く、拒絶反応がまったく起きないため、骨や軟組織の細胞が表面によく接着するというインプラントにとって最適な性質を備えているのです。 また、チタン表面に歯の成分と同じHA(ハイドロキシアパタイト)をコーティングして骨結合を促進するインプラントも開発されています。
インプラントの形態もシリンダータイプやスクリュータイプだけでなく、歯根と同じ形態のものもあります。 このように、多くのインプラントシステムが開発されていますが、骨と接する表面には大きく分けると2種類に分類できます。インプラントのチタン表面を粗面にしたものと、HA(ハイドロキシアパタイト)でコーティングしたものです。
HAコートが6〜7年で吸収して溶けてしまい、表面に炎症性細胞が出現すると、急激にインプラントの表面に炎症が起こり、オッセオインテグレーション(骨結合)が壊れてしまいます。 一方、チタン粗而は骨との親和性が研究されたことによって、HAコートと同等の骨結合ができるようになりました。
ですから、経年変化がない安定した物質であるチタンの方が、問題発生の可能性が低いので、安定して信頼性の高いインプラント表面性状であるといえるのです。

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